死ぬほど洒落にならない怖い話【閲覧注意】

怖い話をまとめたサイトです

【75話】サンコウさん

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/02(月) 18:15:39.28 ID:6OgYSiQM0



サンコウさん



知り合いの話。

その昔、彼女の祖父がまだ炭焼きをしていた頃の話だ。

煮炊きに使う薪を集めに山奥を歩いていると、見覚えのない広場に足を踏み入れた。

はて、この山ン中にこんな開いた所があったろうか?

見れば下生えも綺麗に刈られていて、歩き回るのにも支障がない。

明らかに人の手が入っている。

広場の真ん中に、古びた祠みたいな物が見える。

近よってみたところ、そこには奇妙な物が並べられていた。

人を象った、不格好な木彫りの人形。

誰が拵えた物かわからないが、五体ほど等間隔で置かれていた。

見ているうちに何故か気持ち悪くなり、逃げるようにそこを後にしたそうだ。

5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/02(月) 18:17:52.11 ID:6OgYSiQM0

続き



炭焼き小屋に帰ってから、居合わせた里仲間に自分の見たことを話してみた。

「サンコウさんの土地に入り込んじまったんだな」と言われた。

サンコウさんとは、そこの山神の呼び名だ。

「人形ってのは今年、サンコウさんが取ると決めた人の形代だろう。お前さん、

山で仕事するんなら気を付けるがいい。機嫌損ねると、その五人の内の一人になっちまうぞ

「嘘か誠かはわからんが、そう言われたんだよ。だからって訳じゃないが、山ン中にいる時は粗相しないよう心掛けたよ。幸い、サンコウさんに取られもせず全う出来た。有り難いことだ」

祖父はそう彼女に語ったという。

最後にこう付け加えた。

「それにしても不思議なのは、あの広場には二度と辿り着けなかったことだ。

サンコウさんは、何で儂にあそこを見せたんだろうな」


【74話】 【76話】

メールフォーム

何かございましたらメールフォームからご連絡下さい。

PR

ページのトップへ戻る
inserted by FC2 system