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【207話】浅間山大噴火

582:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/21(木) 10:37:03.97 ID:lN7yI9SO0

902 名前:生き埋め1[] 投稿日:2009/06/11(木) 01:56:59.74 ID:fMaiu3BW0



1783年(天明3年)、浅間山は大噴火した。

噴煙は、上空1万メートルにまで達し、その時に流れ出た溶岩流は、

付近の村々をあっというまに覆い尽くし、約1200人もの命が失われた。

流れ出た溶岩流は、何もかも焼き尽くしながら吾妻川へと流れ込み、

川の岸辺には溶岩と一緒に運ばれてきた凄まじい数の死体と、家屋の残骸が打ち上げられた。

特に火口付近に近かった鎌原(がまはら)村は、わずか十数分の間に村全体が溶岩流に覆われ、

この村だけで、477人の犠牲者を出した。

だが、村人たちが全滅したわけではなく、何とか93人ほどは、

近くの高台に非難し、命拾いしたという。

その後、火山の山麓付近では約3ヶ月間に渡って煙がくすぶり続け、

歴史的な大災害となったのである。

そして歳月は流れ、ようやくこの大噴火も昔話となりつつあったころ、

鎌原(がまはら)村で、驚くような事件が起きた。

ある夏の日、一人の農民が井戸を掘ろうとして、ひたすら土を掘り起こしてした。

だがしばらく掘っても、全く水が出る気配がない。

更に、もうちょっと掘ってみると土の中から瓦(かわら)が出てきた。

おかしな物が出てきたもんだと思い、穴を横に掘り広げてみると、今度は屋根が出てきた。

家が丸ごと、この下の埋まっている・・そう直感した農民は屋根の一部を壊して穴をあけてみた。

中を覗き込むと、その下には家のような空間が広がっており、

人間が二人ほど底の方でうごめいているのが見えた。

すぐに付近の人を呼び、この老人を助け出して事情を聞いてみると、びっくりするようなことを語りだした。

583:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/21(木) 10:37:46.97 ID:lN7yI9SO0

903 名前:生き埋め2[] 投稿日:2009/06/11(木) 01:59:42.97 ID:fMaiu3BW0



「何年か前、浅間山が大噴火をした時に、一家6人でこの倉庫の中に隠れたが、

そのまま地中に埋められてしまった。

横に穴をあけて逃げることも出来ず、ずっとここで暮らしていたのだ。

幸いここは倉庫で、米も3000俵あり、酒も3000樽ほどあったので

これらを食いながら今まで生きながらえてきた。



4人はすでに死んでしまったが、我々は再びこうして地上に出ることが出来て、

また皆さんと会うことも出来て無上の喜びを感じている。」

老人たちが発見されたのは文化12年。浅間山の大噴火から33年後のことである。



老人たちの話が本当だとすれば、この二人は実に33年間もの間、

地中で暮らしていたことになるのだ。

この話は、江戸時代の狂歌師・大田蜀山人(おおた・しょくさんじん)が

書き残している事件である。


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