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【14話】ひとりでかくれんぼ

864:本当にあった怖い名無し:2009/06/30(火) 01:38:10 ID:R1fnW0W6O



ひとりでかくれんぼ



おれが学生時代の話。



学校が終わった後、家に帰る前に近所の公園で一服するのが日課になっていた。

その公園にはいつも1人で遊んでる子供がいたんだ。

いつの間にかおれはその子と仲良くなってて、よくベンチでお喋りしてた。

その子は体にあざが多かったんだけど、木登りしてる姿を見掛ける事も

少なくなかったから、元気な子だなぁ位にしか思ってなかった。



ある日いつもの様にお喋りしていると、桃太郎の話を聞かせてくれた。

学校で習ったそうだ。習わなきゃ桃太郎を知らない世代に驚いた。

翌日。その子がいない。帰る時に茂みの陰に隠れているのを見つけた。



何してるの?



 かくれんぼ!



友達できたんだぁ、と少し嬉しくなった。

でもおかしかった。鬼らしい子が見当たらない。



鬼は誰なの?



 お母さん!暗くなると見付けてくれるんだ!



切なくなって、その日はそのまま帰った。

次の日もその次の日もその子は隠れていた。しびれを切らして声を掛ける。



お兄ちゃんが鬼やってあげようか?

お兄ちゃんは桃太郎!



?と思っていると、母親らしき人がやって来た。そしてその子の頭を掴んだ。

ブチブチと音がする。



お母さんが鬼なの!お兄ちゃんは桃太郎だよね?

お母さんが鬼なの!お兄ちゃんは桃太郎だよね?

血走った目でおれを睨みつける母親の顔は今でも忘れない。



ひとりかくれんぼも怖いけど、ひとりでかくれんぼをする子も怖いです。


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